真聖建設の今井です。
高校生の息子と、徒然草の話になりました。
『つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。』
『仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ~~』
懐かしい!!
学生時代、暗唱すべく何度も何度も音読したなぁと。
あの頃は、試験に出るから、教科書に載ってるから、——-そんな理由で必死に覚えていたものです。
息子が話題にしたために、ふと読み返してみました。
約700年ほど前の時代に書かれた随筆の内容ではありますが、現代人にも突き刺さる部分が多々あり、とても興味深いです。
大人になった今の私だからこそ納得したり、くすっとしたり、面白い随筆です(笑)
その中で、こんなフレーズを見つけました。
『家の作りやうは、夏をむねとすべし。
冬は、いかなる所にも住まる。
暑き頃わろき住居は、堪へ難き事なり。』
これは、夏の高温多湿な気候を考慮して家をつくるべきだという意味です。
現代の主流は、高気密・高断熱住宅。
在来工法で建てられた木造住宅が多いかと思います。
例えば腕のいい大工さんが丁寧に建てたとしても、壁や天井、床、窓枠に、ちょっとした隙間が空いているもの。
隙間風を感じる程ではないとしても、目に見えないくらいの隙間から空気は出入りします。
そのため、夏は暑い外気が室内に入り、エアコンで冷やした涼しい空気が逃げる。
冬には寒い外気が入りこみ、室内のあたたかい空気は外へ出ていく。
この隙間が多ければ多いほど冷暖房の効きにくい家になってしまう。
そのため、精度の高い建築部材や透湿シート、断熱材などを使ってできるだけ隙間をつくらないようにして建てられているのです。
高気密・高断熱な家は、快適な温度にした室内の空気が逃げにくく、外の寒さや暑さの影響を受けにくい家ということになります。
皆さんのおうちは、いかがですか?
700年前に兼好法師が書いたおうちに関する記述も一理ありと思われ、私は妙に納得してしまいます。
エアコン等冷暖房効率の良いおうちは、省エネで光熱費を抑えることもできランニングコスト面のメリットも確かにあります。
ただどんな暮らしを描いてどんなおうちに住まうのかで、その建築時に主眼を置くべきところが変わってきます。
おうち建築をお考えの方の中で、家族の健康を願わない方はいらっしゃらないはず。
家族の健康を害さないおうちとは、おうち自体も健康であるべきです。
おうちの木部の健康を考えたおうち創りをすれば、その耐久性も保持でき、住まう家族の健康も害さない。
以前、防腐朽菌・防シロアリ工事で知り合ったお客様がおっしゃっていた、
『夏は、うんっと暑くて、冬はさっむ~~~~~い家にするんじゃ!!』という言葉。
なぜか私のアタマに残っています。
大昔からのアドバイスと、現代のテクノロジーから叶えられるものとで、上手にバランスをとり、
おうち創りについて今後も考えていきたいなと思っています。